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「歯列矯正は痛いし高額」と感じて治療をためらったり、「虫歯と違って緊急を要する治療ではないから後回しでいいか」と考えてしまったりすることはないでしょうか。
正しく歯列矯正のメリットを理解してみると、早めに始めたほうがよい治療だとわかります。
今回は歯列矯正のメリット・デメリットや方法を解説するので、ぜひご覧ください。

■そもそも歯列矯正とは？

歯列矯正は矯正装置を使って不正咬合を改善していく治療法であり、完了後は歯並びがきれいになります。
出っ歯・受け口・歯並びの凸凹を治せるので審美的な治療として広がりました。
しかし歯列矯正は審美目的での治療だけに留まらず、噛み合わせがよくなることで食べ物の咀嚼や会話時の滑舌をスムーズにする目的で実施することもあります。
噛み合わせの良さが全身の健康につながるともいわれているので、今の歯並びが不安な方は一度歯科医院に相談してみましょう。

■歯列矯正をするメリット

歯列矯正をするメリットは、下記の通りです。

〇口元や横顔がきれいになる
歯の凸凹や隙間が改善されることで口元がスマートになります。
「口が前に飛び出ている」「うまく噛み合わず常に半開き状態になってしまう」などのトラブルからも解放されやすく、審美的な満足度も上がります。

〇虫歯や歯周病が起きにくくなる
歯並びが改善すると歯ブラシの届く範囲が広がり、隙間の汚れや目立たない食べかすも取りやすくなります。
日常的なケアがしやすくなるので、これまでと同じ方法でも虫歯や歯周病が発生しにくくなるでしょう。
歯列矯正完了後に再度ブラッシング指導を受けるなど、自分の歯にあった磨き方を知っておけば、より病気の予防に役立ちます。

〇咀嚼機能が向上する
噛み合わせがよくなると歯で、しっかり食べ物を咀嚼できるようになり丸のみを防ぐため、胃腸への負担を軽減できます。
消化が早くなったり栄養素を吸収しやすくなったりするメリットもあり、体全体の調子を整えます。
また、よく噛むことで唾液が分泌されやすくなるので、虫歯の予防効果も上がります。
咀嚼力は認知症の改善にも役立つという分析がされているので、健康で元気に年を重ねたい方にも歯列矯正がおすすめです。

〇自信を持って笑える
見た目がきれいになると、歯を見せるような笑い方や食事のシーンでコンプレックスを感じにくくなります。
自分に自信が持てるようになり、対面でのコミュニケーションにも積極的になれるかもしれません。
「口元を見せるのが恥ずかしくてマスクが手放せない」「歯並びを笑われて悲しい思いをしたことがある」という方は、自信をつけるために歯列矯正するのもよいでしょう。

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■歯列矯正をするデメリット

歯列矯正には、短期的ながらデメリットがあります。
長期的に判断するとメリットの方が大きくなりますが、歯科医院に相談しながらデメリットの対策も考えておくことをおすすめします。

〇痛みや口内炎が出る
治療の初期段階や装置を変更した際は、痛みが出る場合があります。
また、最初のうちは装置が唇の内側に触れることで口内炎が生じるケースもあります。

〇違和感があり歯磨きしにくくなる
固定式の矯正器具の場合、器具と歯の間に隙間ができて違和感を覚えることがあります。
また、歯ブラシが届きにくく虫歯になりやすくなるため、定期的に通院してクリーニングしてもらいましょう。

〇抜歯が必要な場合がある
歯並びの状態により、抜歯が必要な場合があります。
また、親知らずの萌出は歯並びを悪くする原因になりやすいので、必要があれば歯列矯正前に抜歯することがあります。

〇後戻りする可能性がある
治療直後の保定装置を正しく使用できていなかったり、マウスピース型の矯正器具を外している時間が長かったりすると、歯並びが後戻りすることがあります。
治療期間の延長や費用の増大につながるので、指示に従って矯正治療を進めることが大切です。
また、歯並びは加齢に伴う変化が起きやすく、完全永年で治療効果を保証するものではありません。

■歯列矯正の種類

ここでは、代表的な歯列矯正の種類を解説します。
それぞれのメリット・デメリットにも触れるので、治療方針を決める際のご参考にしてください。

〇ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる矯正装置を取り付け、歯を動かしたい方向に向けて力を加えていく方法です。
歯の表面に矯正装置がつくため、「表側矯正」と呼ばれることもあります。

【メリット】
・治療できる症例が多い
・取り外しの手間がかからない
・自分に合った矯正装置の種類を選択できる
・実績が多い
・比較的費用が安い

昔から採用されてきた歯列矯正法であり、実績が多いのが一番の特徴です。
治療できる症例が幅広く難しい事例でも適用しやすいので、歯並びがガタガタでも使えます。
近年はワイヤーや矯正装置の色や白または透明の素材も出ているので、昔と比べて目立ちにくくすることも可能です。

【デメリット】
・矯正装置をつけていることがわかりやすい
・金属で口腔内を傷つけやすくなる（口内炎ができやすくなる）
・固い食べ物を制限される場合がある
・歯磨きしづらい

昔より目立たない素材の色が出ているとはいえ、歯の表側に装着するため至近距離で会話する人には矯正中であることがわかります。
金属製の素材を使うと口腔内を傷つけやすい他、金属アレルギーへの配慮も必要なので注意しましょう。
また、矯正装置が外れるのを防ぐため、固い食べ物や粘り気のある食べ物を制限される可能性があります。
装置に食べかすがつきやすくなるので、定期的なクリーニングは忘れずにおこないましょう。

〇裏側矯正（裏側ワイヤー矯正）
裏側矯正は、ワイヤーを歯の裏側に取り付ける方法です。
ワイヤーを使って力の程度や力のかかる場所を変えながら矯正していく手法は、表側矯正と同じです。

【メリット】
・取り外しの手間がかからない
・自分に合った矯正装置の種類を選択できる
・実績が多い
・矯正装置が目立たない

基本的な治療法は表側矯正と変わらないため、メリットもデメリットも似通っています。
裏側矯正は矯正器具が目立ちにくく、審美性を重視する方から人気があります。
周りの目が気になる思春期のお子様や、人に見られる仕事をする方におすすめです。

【デメリット】
・治療できる症例が少ない
・金属で口腔内を傷つけやすくなる（口内炎ができやすくなる）
・固い食べ物を制限される場合がある
・歯磨きしづらい

表側矯正と比較して手間と技術がかかるため、費用が高くなりやすい点に注意しておきましょう。
また、一度にかけられる力を少し弱くする必要があるため、難症例の場合は表側矯正を勧められることが多いです。
舌と矯正器具が触れるため発音に影響しやすく、歌や楽器を仕事にしている方は事前に相談した方がよいかもしれません。

〇マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、自分の歯の形に合わせて型（マウスピース）を作り、歯に被せる治療法です。
デジタル技術が発達した昨今、精巧なサイズのマウスピースを作りやすくなりました。
少しずつ理想的な歯並びになるようマウスピースのサイズを変え、付け外ししながら使うのが特徴です。

【メリット】
・付け外しできるのでシーンに合わせて使える
・矯正器具が透明でほとんど目立たない
・食事の制限がない
・歯磨きしやすい
・ワイヤー矯正と比較して痛みの程度が軽い
・金属アレルギーの方でも使える

マウスピースは透明なのでほとんど目立たず、付け外しができるので食事や歯磨きの不便さもありません。
「食事と歯磨きのときだけ外す」など柔軟な使い方ができること、マウスピースのサイズは微調整できるので痛みの程度が低いこともメリットです。

【デメリット】
・治療できる症例が少ない
・装着時間を守らないと期待通りの効果が出ない
・治療期間が長くなりやすい
・治療費が高くなる
・マウスピースの洗浄など自己管理が必要

手軽に一人で着脱できてしまう分、煩わしさが勝って装着時間が短くなると、期待通りの効果が発揮されません。
マウスピースの洗浄などに手間がかかり、治療時間も長くなりやすいので注意しましょう。
多少時間と手間がかかっても少しずつゆっくり治療したい方向きの方法です。

■まとめ

歯列矯正の選択肢は増えており、使い勝手の良さ、治療効果、審美性などの好みに合わせて選びやすくなっています。
長期的にみると歯列矯正するメリットは多いので、気になる方はかかりつけの歯科医院に相談してみましょう。

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