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コラム
セラミック治療の特徴【デメリット編】
2022.09.09
セラミック治療に関して、以前メリットをお伝えしましたが、メリットばかりで逆に不安に感じている方のために今回はデメリットについてご紹介します。
メリットとデメリットを検討してあなたに合った治療方法を探してみてください。
●セラミック治療のデメリットとは
主要なデメリットについてまとめてみたので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
・保険適用にならない
歯科医院で治療する時に虫歯や銀歯などの治療であれば保険が使えるのですが、白くて綺麗な歯にするためのセラミック治療では基本的には自費治療となり保険適用外となることに注意しましょう。
なぜなのかというと、歯科医院の治療では、保険の適用ができる治療方法として最低限の機能が回復するような方法や安価な材料であることが指定されているからです。
セラミック治療の場合は、綺麗な歯並びや外見的に白く見えるような歯を目指して治療をおこなうことが多いために、保険の適用とはなりません。
・変形の可能性
セラミックは延性がなく脆性破壊します。
ただその破壊強度はかなり高く歯よりも優れているものです。
割れやすいということはありませんが、固いものを食べた際に金属は変形、セラミックは破折します。
天然の歯も割れるようにセラミックの歯も硬いもの、例えば砂利のようなものを強く噛んだり、外れかかった状態で噛んだりすると割れることがあるので、無理な使い方を避け、外れて歯のポジションが変わってきていないかどうかを定期的にチェックすることが大切です。
・歯を削る必要がある
セラミックはもともとある歯を削って人工歯を被せる治療方法であるため、歯を削ることに抵抗感がある人にはおすすめできません。
虫歯など既に病気が進行していて、どちらにしても削って治療しなければいけない場合はセラミックが1番に候補として挙がります。
しかし、審美の観点から自分の歯を削ってセラミックにした場合、後からやり直しがきかず、セラミック以外にしたくなったときの保証ができません。
もちろん、納得の上で審美の観点からセラミックにする患者様もいらっしゃいます。
メリットだけでなくデメリットも正しく知り、治療方針を決めていきましょう。
・一生ものではない
セラミックは人工歯なので一度装着したら一生ものと考える方も多いですが、定期的なメンテナンスが必要です。
また、前述の通りセラミックには変形の可能性がある他、歯ぎしりや食いしばりなど過度な力が日常的にかかることで割れや欠けが起きるケースもあります。
陶器素材でできているので破損を100%避けられないことを知っておきましょう。
・天然の歯と色合いが変わる可能性がある
天然の歯に合わせて自由に色合いを調整できるのがセラミックのメリットですが、装着したての色合いが何年も続くとは限りません。
素材が天然歯と違う以上、同じものを食べていて同じメンテナンスをしていても、変色具合が変わってしまう可能性があります。
例えば加齢と共に歯の着色が濃くなった場合、セラミック部分だけ不自然に白く見えてしまうこともあるのです。
その日の天候や温度により左右されやすい素材でもあるので、天然歯と全く同じ色合いにするのは難しいのです。
・素材によっては金属アレルギーが起こる
セラミックは原則として金属成分を使わない素材であり、金属アレルギーになる(もしくは金属アレルギー反応が出る)リスクを減らせます。
しかし「メタルセラミック」と呼ばれるセラミック素材の場合、外側は金属のないセラミックですが内側には金属であるメタルを使うので注意しておきましょう。
長期間利用していると金属が溶け出して歯や歯茎が着色するケースもあり、定期的なメンテナンスが欠かせません。
オールセラミックより重い素材なので耐久性があること、比較的安価で作れることなどメリットもあるので、自分に合っているか検討してから使用しましょう。
・精度次第で虫歯のリスクが上がる
卓越した歯科技工士が作る精度の高いセラミックであれば、歯にぴったり密着するので隙間や段差を減らせます。
反対に安価で精度の低いセラミックにしてしまうと隙間や段差が増え、食べカスが詰まりやすくなってしまいます。
それが原因で虫歯や歯周病に罹患する可能性もあるので、セラミックの精度は重視しておきましょう。
また、歯のつくりが変わるので普段と変わらないブラッシングのつもりでも、意外なところに磨き残しが生じやすくなることもデメリットです。
「いつもきちんと磨けているから」と考えず、歯が変わってから一度ブラッシングを見直してもらうなどメンテナンスに時間をかけていきましょう。
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●セラミックの主な種類
ひと言でセラミックといっても、様々な種類があります。
ご自身の歯の状態に合わせて選ぶと良いでしょう。
それでは、セラミックの種類について確認していきましょう。
・「オールセラミック」
全てセラミックでできているのがこのオールセラミックです。
金属をまったく使用していないので、アレルギーがある方でも安心して使用できます。
長年経過しても、歯茎の色が変色するリスクもありません。
・「メタルセラミック」
内側が金属(メタル)、外側がセラミックで作られているのでオールセラミックに比べると重い素材です。
金属を使用しているので、金属アレルギーの方には向いていません。
また、長期間利用していると、金属の影響で歯茎に着色が起こってしまうことがあります。
様々な歯に利用しやすい素材です。
・「フルジルコニア」
とにかく高い耐久性を求めている方におすすめするのがフルジルコニアです。
耐久性があるため、奥歯に使うことの多い素材で、綺麗な見た目を重視するような前歯などには向いていません。
以前にセラミック治療をしたけれど、何らかの原因でセラミックが割れてしまったというような経験がある方は耐久性の高いフルジルコニアがおすすめです。
ただしハイポリッシュサーフェイスでないと対合の歯が摩耗してしまいます。
・「ハイブリッドセラミック」
プラスチックとセラミックを混ぜ合わせて、耐久性を高くした素材です。
金属を使用していないので、金属アレルギーの方でも利用できますが、セラミックと比べて破折、摩耗、変色しやすいという特徴があります。
自然な色合いを出すのが難しいのですが、フルジルコニアのような硬さがないので周囲の歯に負担をかける心配はありません。
●後悔しないセラミック治療のポイント
後悔しないセラミック治療のためには、セラミックのメリットだけでなくデメリットも知っておくことが大切です。
また、「セラミック」と表現しても使う素材の選択肢が意外にも多く、それぞれの違いを理解しておくこともポイントです。
健康保険適用外なので事前に見積もりを出してもらいながら費用を相談したり、治療後の通院頻度を聞いておいたりするのも良いでしょう。
セラミック装着をゴールにせず、その後のメンテナンスや無理のない支払いも視野に入れておくことが成功のカギとなります。
●まとめ
セラミック治療のデメリットを知って、納得のいく治療をおこないましょう。
費用や使用する素材、治療後のメンテナンスについてなど少しでも迷った時には、まずはセラミック治療をおこなう予定の歯科医院に相談すると良いでしょう。
当院の審美セラミック治療も併せてご覧ください。
監修者
小笹 康寛 | 院長
患者さまの歯を長持ちさせることを第一に考え、一人ひとりに合わせた最適な治療方法をご提案し、ご納得いただいた上で治療を進めております。お口に関する疑問・お悩み等ございましたら、どんなことでもご相談ください。