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コラム
ホワイトニングが出来ない人や歯
2020.02.14
折角ホワイトニングをしようと思って歯科医院へ行ったにもかかわらず、断られてしまう可能性があることをご存じでしょうか。
気軽に行えるように思われがちなホワイトニング治療ですが、身体の状態によっては、実は対応できない可能性があるのです。
今回は、ホワイトニングが出来ない人や歯の状態についてのお話です。
●大きな虫歯や歯周病
虫歯は、小さくて痛みなどの症状がないような初期虫歯であれば、簡易的な仮の詰め物をすることでホワイトニングを優先して行えます。
しかし、歯の詰め物を行った後に全体的な色に合わせてホワイトニングを行った方が外見的には自然な仕上がりになります。
大きな虫歯がある時には、ホワイトニング薬剤が虫歯に触れることで強い痛みを感じることがあります。
虫歯や歯周病が原因で歯に痛みを感じている時には、ホワイトニングに含まれている成分によって刺激を受けてしまって神経を傷つけやすくなります。
最悪の場合は、正常だった神経を抜かなければならないこともあるため、症状の大小にかかわらず、なるべく虫歯や歯周病治療を優先して行うことをおすすめします。
●金属やセラミックでできた人工歯
ホワイトニングの効果が期待できるのは、自然に生えてきた歯に限ります。
そのため、銀歯などの金属やセラミックでできた人工歯については、ホワイトニングの効果が期待できないため、治療を開始できません。
使用している素材によっては、経年劣化などで変色が起こることがあります。
そのような時には、新しく素材を変えて治療を行う必要があります。
歯茎が痩せて衰えてきた時には、土台となる金属部分が外見に現れてくることがあります。
金属部分のホワイトニング治療は行えないため、このような時には歯茎のサイズに合わせた人工歯を製作する必要があります。
●妊娠中の方
ホワイトニング薬剤に含まれている代表的な成分である過酸化水素は、健康な一般人であれば安全性が保証されているのですが、妊娠中の方への影響が確認されていないため、必ずしも安全とは言い切れません。
そのため、妊娠中の方はホワイトニング治療を避ける方が良いでしょう。
一般的な歯科検診で行われているような歯のクリーニングであれば、妊娠中の方でも行えます。妊娠中はホルモンバランスが乱れやすくなるため口腔内環境が悪化しやすい状況です。
特に歯周病がある方は、歯周病菌が血液で運ばれることで胎児に対する悪影響となり、早産のリスクも高くなるため、なるべく早めに治療を開始した方が良いでしょう。
可能であれば、妊娠前から定期的な検診を行うことをおすすめします。
●無力タラーゼ血症の方
先天的な疾患である無カタラーゼ血症の方は、過酸化水素を分解するためのカタラーゼという酵素が不足しています。
ホワイトニング治療では、過酸化水素を使用してエナメル質を白くしています。
もし口の中に入ったホワイトニング薬剤を飲んでしまっても、一般の方であれば、体内でカタラーゼが正常に働いて過酸化水素を分解するため体に害は生じません。
しかし、無カタラーゼ血症の方は、体内にカタラーゼ不足しているために過酸化水素を分解できません。
そのため、ホワイトニング治療を行うリスクの高い無カタラーゼ血症の方は治療をお断りすることがあります。
●まとめ
気軽に歯を白くできると思われがちなホワイトニング治療でも、お体の状態によっては安全な治療が行えないことがあります。
口の中だけの治療ではありますが、その影響は全身に及ぶ可能性があるため、歯の状態以外にも、現在治療中の疾患がある方や気になる症状があるという時には、ホワイトニング治療を開始する前に、必ず歯科医師まで報告するようにしましょう。