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コラム

歯ブラシだけでは不十分?歯科医院で歯石取りをするメリット

2023.10.17

「歯科医院で定期的に歯石を取ってもらった方がいい」「体の健康診断と同じように、歯の健康診断も大事だよ」と言われ続けてきた人は多いのではないでしょうか。
歯の健診をすると歯石も同時に取ってもらえることや、歯石を取らないまま放置しているより定期的に取ってもらった方がよいことは、多くの人が知っているでしょう。
それでも、「毎日きちんと歯ブラシしているし…」と思ってしまい、いつの間にか歯科医院に通わなくなることも多いです。

今回は、歯科医院で歯石取りをするメリットを改めて解説します。
なぜ歯ブラシだけでは不十分なのか、理由を探っていきましょう。

■歯石とは

そもそも歯石とは、プラークが石灰化して固くなり、歯に付着してしまっているものを指します。
プラークとは歯垢のことであり、歯の表面に長い時間ついたままになることで、唾液に含まれるカルシウムやリン酸と融合します。
結果、石のように固くなって完全に定着してしまい、歯石となってしまうのです。

■歯石は自宅で取れないのか

基本的に、歯石は自宅で取れないと思った方がよいでしょう。
石のように固くなって歯に定着しているため、歯ブラシやデンタルフロスで取ることはできません。
歯科医院にあるハンドスケーラー(先が尖っていて歯石を直接カリカリと引っかきながら除去できる器具)や超音波スケーラー(電動タイプのスケーラーでシューッと音を出しながら歯石を除去する器具)など、専用の道具を使って取ります。

なお、スケーラーは通販サイトや日用品売り場で販売されているのを見かけますが、よほど扱いに慣れていないと歯や歯茎を傷つけてしまうことがあるので注意しましょう。
細かな作業を要するため鏡に向かって確認しながら除去するのでは難しく、先端を歯茎に刺してしまい傷がついたり、歯石以外の天然歯を削ってしまったり、思わぬトラブルになることも。
歯科医院のように使う度に滅菌処理できないこと、歯と歯茎の間など細かな部分はどうしても除去漏れができてしまうことも難点です。
安く自宅でできるからと安易に考えず、歯科医院でプロの治療を受けましょう。

■歯石がつきやすい場所

ここでは、歯石がつきやすい場所を解説します。
日々の歯ブラシで少し意識するだけでも予防しやすくなるので、チェックしてみましょう。

〇下前歯の裏側
下前歯の裏側は、ちょうど歯ブラシが当たりにくい場所でもあります。
唾液腺の開口部がある場所でもあるので、どうしても唾液と一緒に歯垢が流れ着くことが多くなります。
舌先で前歯と前歯の間を触ってみたき、歯間の溝が少なく感じられたりザラザラした感触があったりする場合は要注意です。
早めに歯科医院でスケーリングしてもらうなど、対策しておきましょう。

〇上奥歯の外側・内側
上奥歯の外側にも唾液腺の開口部があり、歯垢や歯石が溜まりやすくなります。
意識しないと歯ブラシがしっかり当たらない部分でもあるので、注意しましょう。
同じように上奥歯の内側も歯ブラシが届きにくい場所です。
特に利き手側の奥歯内側は、磨いているようで1本だけ磨けていないなどの見落としが起こりやすいので、時々鏡を見ながら磨き方を矯正していくのがおすすめです。

〇出血しているところ
血液には石灰化の作用があるので、出血している場所があると危険です。
食事中に噛んでしまって傷や口内炎があるところ、ケガをして傷ができているところ、炎症や歯周病があり日頃から出血しやすいところがある人は要注意です。
しかし、歯垢が蓄積してほしくないからと強いブラッシングをしてしまった場合、却って傷を深めることになりかねません。
歯科医院で丁寧なケアをしてもらうなど、対策が必要です。

歯のメンテナンスについて詳しく知りたい方はこちらのコラムもご覧ください。

歯のメンテナンスはすべての人に必要?

■歯石を放置するとどうなるのか

歯石を放置することは、下記のようなトラブルにつながります。
実際に自分の歯に歯石がついているかを判断するのは難しいので、定期的に健診を受けながら除去してもらうのが理想です。

〇虫歯や歯周病の原因になる
歯石は歯垢が固まって取れなくなったものであり、虫歯菌や歯周病菌が大量に含まれています。
付着した状態にしておくとその部分から虫歯や歯周病が進行してしまい、天然歯を抜くなど大掛かりな治療が必要になってしまうことも。
歯茎が下がったり歯がぐらついたりすると審美的なデメリットも多く、コンプレックスの原因に発展することも多いでしょう。

〇歯茎が炎症を起こす
歯石が歯と歯茎の間に溜まると、歯茎が炎症を起こしてしまいます。
ジンジンとした違和感があったり、出血したりすることでさらに歯石ができやすくなってしまうので要注意です。
悪化すると歯石部分が黒く変色してしまい、笑って歯が見えたときに見た目の印象が悪くなってしまいます。

〇口臭の原因になる
歯石に含まれる細菌が硫化水素やメチルカプタンなどのガスを発生させ、口臭の原因を作ります。
また、歯石が原因で虫歯や歯周病になった場合、口臭の原因になることも。
歯茎の炎症による膿み、出血、更なる歯石の蓄積も口臭につながります。

■歯石を予防する方法

歯ブラシなど日々のデンタルケアを丁寧にしておけば、歯石をつけにくくすることは可能です。
とはいえ、100%歯石がつかないようにするのは難しいものです。
定期的な健診も併用しながら、なるべく通院頻度を抑えられるようケアしていきましょう。
ここでは、歯石を予防する代表的な予防法を解説します。

〇歯と歯の境目をブラッシングする
歯列に沿って横向きにブラッシングしていて、複数の歯を同時に磨いている場合、どうしても歯と歯の間に磨き残しができてしまいます。
複数の歯をまんべんなく磨くことももちろん大切ですが、ある程度磨けた後は歯を1本ずつ縦に磨く作業も忘れずにおこないましょう。
自分で自分の歯を仕上げ磨きするような丁寧なイメージでおこなえば、磨き残しは少なくなります。

〇歯と歯茎の境目をブラッシングする
歯と歯茎の境目は特に歯垢がつきやすいポイントです。
目視するだけでは磨き残しがわかりにくく、いわゆる「歯周ポケット」部分に隠れた汚れが残されていることも。
歯ブラシの毛先が届くよう角度を調整しながら、隙間に届くようなブラッシングを意識しましょう。
ただし、隙間の汚れが気になるからといってあまり強い力で磨いてしまうと、却って歯茎に傷がついてしまうので注意が必要です。

〇デンタルフロスを使う
デンタルフロスは歯と歯の間に糸状のブラシを通すお手入れ方法であり、鏡では見えない汚れや食べカスの除去に最適です。
前歯の間などつい磨き残してしまいがちなところや、奥歯と奥歯の間などよく食べカスが挟まってしまうところを集中的にブラッシングし、歯石を予防していきましょう。
歯並び次第では汚れが溜まりやすいポイントが人により異なるので、一度歯科医院でブラッシング指導を受けるのもおすすめです。

■まとめ

歯垢や歯石は、最大限気を付けてブラッシングしていても付着を100%予防するのは難しいものです。
食事の度にしっかり歯磨きしたり、デンタルフロスなども使ったりしながら、できる範囲での予防を心がけましょう。
そのうえで、定期的に歯科医院での健診を受け、歯垢・歯石を除去してもらうのがポイントです。
自分が歯磨きするうえで磨き残しになりやすい場所も教えてもらえる他、虫歯や歯周病の早期発見につながるなど、メリットも多いです。
まずはかかりつけの歯科医院や近所で評判の良い歯科医院を探し、相談してみるのがおすすめです。

当院の予防メンテナンスも併せてご覧ください。

メンテナンス

院長

監修者

小笹 康寛 | 院長

患者さまの歯を長持ちさせることを第一に考え、一人ひとりに合わせた最適な治療方法をご提案し、ご納得いただいた上で治療を進めております。お口に関する疑問・お悩み等ございましたら、どんなことでもご相談ください。

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